現代人にとっての結婚観と、幸せな結婚

キャッチコピーから読み取れる現代の結婚観
「結婚しなくても幸せになれるこの時代に、私は、あなたと結婚したいのです。」
2017年度のゼクシィのCMで坂本さんが制作した話題のキャッチコピーです。
素敵なキャッチコピーですよね。
私はこのキャッチコピーがまさに現代の結婚観を反映していると感じます。
このキャッチコピーから現代の結婚観を見つめていきたいと思います。
「現代では結婚は必須ではない」という共通認識
「結婚しなくても幸せになれる=結婚は必須ではない」というのはまさに現代の結婚観と言えるでしょう。
一昔前までは結婚していないと白い目で見られるということもありましたが、
現代ではライフスタイルの一つとして「生涯独身」は認められつつあります。
また、独身がメジャーになったことから「独身貴族」という言葉も生まれましたね。
独身貴族とは、結婚せずに独身のまま、自由で余裕のある生活をしている人を指す言葉です。
これらの造語が生まれるくらい結婚と人生は分けられて考えるようになりました。
まさに結婚は人生で必須ではなくなったと言えます。
データで見ても結婚件数は減少、初婚年齢は上昇傾向
日本でも結婚の割合は長期的には減少傾向です。
2013年の婚姻件数は約66.1万件だったのが、2024年は48.5万件に減少しています。
10年ほどで見ると大きく減っているのがわかるかと思います。

さらに、結婚年齢の高齢化も進んでいます。
2024年の平均初婚年齢は、夫が31.1歳、妻が29.8歳です。
妻の平均初婚年齢は前年より上昇しています。
結婚が「人生の数ある選択肢の一つ」になった現代。結婚に踏み切れる年齢も年々上昇しているのではないでしょうか。
進学期間の長期化も晩婚化に影響している
現代の日本では働き始める年齢自体も昔より遅めになっています。
現代で正社員として働き始める年齢として、「大卒の22歳」を想起する人も増えていますね。
勉学に時間を割く学生が増えた。だから、結婚などの人生イベントについて考え出すタイミングが遅くなったというのはありそうです。
また、人生で労働しなくて良い期間が増えて、モラトリアムが増えたというのもあるでしょう。モラトリアムとは、もともとは「猶予期間」という意味です。社会に出て本格的に働く前に、自分の生き方・仕事・価値観を考えるための猶予期間という意味で使われます。
私自身も大学に進学し、モラトリアムを経験した人間です。
大学期間は人生についてゆっくりと考える時間がたくさんありました。
また、学生だから多少の失敗を許してもらえるというメリットもありました。
この先の人生についてどのように生きればいいのかを考える時間がありました。
だからこそ、色々なことに挑戦させてもらえたという自負があります。
SNS✖️モラトリアムによる結婚以外の選択肢を見る時間
モラトリアムがあることによって人生の選択肢が見えるようになりました。
さらに誰でもSNSを通じて、従来より多くの選択肢が見えるようになりました。

人生の選択肢を知ることによって、結婚以外の選択肢も必然と見えるようになります。
結婚が必須ではないと知ると、その他の選択肢を吟味する時間も増えますね。
結婚に意味はある。ではどんな人とするべきなのか。
データで見ると、結婚をした方がいいという傾向にあるのは確かです。
プルークスらの研究では夫婦関係の質と個人の幸福感との関連性を検証しました。
その結果、夫婦関係が良い人ほど幸福感や傾向が高い傾向にあることがわかりました。
しかし、結婚は誰がやっても幸せになるものでもありません。
では結婚をした方が幸せになるのはどんな人でしょうか。あるいはどんな人を選べば幸せになるのでしょうか。
感謝や承認、関心を自分に示してくれる人
スタントンらの研究では、パートナーの応答性が関係性と関連することを示しています。
相手が自分の話や感情に反応してくれていると感じることが必要です。
自分に関心を向けてもらえると思うと、安心感を覚える人は多いのではないでしょうか。
パートナーが自分を無視して会話すらしてくれない。
パートナーが呼びかけても返事をしてくれない。
なかなかその状態で良い関係を作るのは難しいと言えます。
感謝や自分のことを評価してくれる人
また、ジョエルらの研究では「感謝」や「評価されている感覚」が必要なこともわかっています。
感謝や自分に価値を感じてもらえていることは、満足感を覚える要因になっています。
また、さらにどのような要因が関係の質を予測するかについても分析をしています。
関係の質を予測する主な要因としては以下のものが挙げられます。
- 相手のコミットメントを感じること
- 感謝
- 性的満足
- 相手の満足度
- 対立
重要なのは相手が自分を好きかだけではありません。
相手もこの関係を大事にしてくれていると感じられるか。
困った時に逃げずに向き合ってくれるか。また、将来を一緒に考える姿勢があるかが幸福感に大きく影響を与えます。
関係破綻となる批判や防衛、軽蔑や閉ざしを取らない人
ゴットマンらは逆にどのような人が離婚するかを予測しました。
その中の特徴として以下のようなものを否定的相互作用として挙げています。
- 批判
- 防衛
- 軽蔑
- 閉ざし
この中でも軽蔑を特に関係破壊の強いサインとして扱っています。
関係破綻となる行動をとる人ほど、関係が破綻してしまうというのは直感的に理解できるかと思います。
まとめ:結婚は選べるものになった
現代において、結婚は「しなければならないもの」ではなくなりました。
結婚件数は長期的に減少し、初婚年齢も上昇しています。進学期間の長期化や、SNSによって多様な生き方が見えるようになったことで、結婚は人生の必須イベントではなく、数ある選択肢の一つになったと言えるでしょう。
しかし、だからといって結婚に意味がなくなったわけではありません。
心理学の研究を見ると、良い夫婦関係は幸福感や心理的な健康と関連しています。重要なのは、結婚するかどうかそのものではなく、どのような関係を築けるかです。
感謝を伝えてくれること。
自分に関心を向けてくれること。
困ったときに向き合ってくれること。
この関係を大切にしていると感じさせてくれること。
そうした日々の積み重ねが、幸せな結婚を支えているのだと思います。
反対に、批判や軽蔑、無視、話し合いから逃げる態度は、関係を少しずつ壊していきます。幸せな結婚とは、ただ好きな人と一緒になることではなく、お互いを大切にし続ける関係性を作ることなのかもしれません。
個人の成長や安定なくして精神的に安定した関係は難しい。
自己肯定感を簡単に上げる方法を書かせていただきました。

終わりに
「結婚しなくても幸せになれるこの時代に、私は、あなたと結婚したいのです。」
このコピーが多くの人の心に残ったのは、現代の結婚観をとてもよく表していたからだと思います。
今の時代、結婚しない人生も、十分に尊重されるべき選択肢です。仕事に生きる人もいれば、趣味や友人関係を大切にする人もいます。一人でいることに幸せを感じる人もいるでしょう。
だからこそ、現代の結婚には以前よりも強い意味が生まれているのかもしれません。
「結婚しなければならないから結婚する」のではなく、
「この人と一緒に生きていきたいから結婚する」。
それは、義務ではなく選択です。
そして、幸せな結婚に必要なのは、理想的な相手を見つけることだけではありません。お互いに感謝し、関心を向け、向き合い続けること。その関係を二人で育てていく姿勢こそが、結婚の幸せを作っていくのだと思います。
結婚しなくても幸せになれる時代だからこそ、「それでもあなたと結婚したい」と思える相手を選ぶこと。
それが、現代における幸せな結婚の形なのではないでしょうか。


コメント