やる気が出ないときの4つの見直し方|行動を小さく具体的にする

Wooden building blocks stacked into a tower on a wooden table indoors やる気を出す
A tower built from wooden blocks sits on a rustic table in a warmly lit room

この記事の4つは、やる気が出ない原因をすべて説明する分類ではありません。体調、睡眠、過度な負担なども関係します。日常の行動を調整するための視点として読み、つらさや生活への支障が続く場合は、休息や相談も選択肢にしてください。

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「やらなきゃいけないのに、なぜか動けない」
「頭では分かっているのに、体がついてこない」
「やる気がなんだか湧いてこない」

こういう経験は、誰にでもあると思います。

やる気が出ないとき、私たちはつい「自分は意志が弱いのかな」「根性が足りないのかな」と考えてしまいます。

でも、心理学的に見ると、やる気は気合いだけで決まるものではありません。

やる気とは、簡単に言えば、人が行動を始めたり、続けたりするための心のエネルギーです。
(心理学では動機づけと言います。)

そしてそのエネルギーは、気分だけでなく、環境や考え方によって大きく変わります。

心理学者のリチャード・ライアンとエドワード・デシは、人が前向きに行動するためには、「自分で選んでいる感覚」「できそうだと思える感覚」「人とのつながり」が大切だと説明しています。彼らの研究では、この3つが満たされると、人はより自然に行動しやすくなるとされています。

この記事では、行動を始めにくいときに見直せる4つの視点と、具体的な調整案を紹介します。


1. 「やらされている感じ」が強い

見直したい点の1つ目は、自分で選んでいる感じがないことです。

例えば、親に「勉強やりなさい」と言われると
さっきまでやる気があったのに急激にやる気が萎んじゃうみたいな経験をしたことがある人もいると思います。

反対に、
「自分の将来のためにやる」
「できることを増やしたいからやる」
「自分の考えを深めたいからやる」

と思えると、同じ行動でも受け取り方が変わります。

人は、自分で選んでいると感じられると、行動を続けやすくなります。ライアンとデシの研究でも、外から無理やり動かされるより、自分の興味や価値観と結びついている行動の方が、学習や成長につながりやすいとされています。

対処法:「やらされてる」を「自分はなぜやるのか」に変える

やる気を出すには、まず「やらされている感じ」を減らすことが大切です。

そのためには、行動の意味を自分の言葉で言い換えてみます。

たとえば、ブログを書くなら、「毎日書かないといけない」ではなく、

「誰かの悩みを少しでも軽くするために書く」というように、自分なりの意味を見つけます。
大切なのは、誰かに言われたからやるのではなく、自分が納得してやる形に変えることです。


2. 「できそう」と思えないからやる気が湧かない

見直したい点の2つ目は、できる気がしないことです。

人は、目の前のことに対して「頑張ればできそう」と思えないと、行動を始めにくくなります。

たとえば、
「1週間で10記事書く」
「毎日2時間勉強する」
「最初から読まれる完璧な文章を書く」

こうした目標は、やる前から負担が大きく見えます。

すると、
「今日は無理」
「明日からやろう」
「もう少し準備してから始めよう」

となりやすくなります。

心理学者のアラン・ウィグフィールドやジャクリン・エクルズらは、人が行動するかどうかには、「自分にできそうか」と「それをやる価値があるか」が関係すると説明しています。

この理論から、目標は小さいほどよいとまでは言えません。ここで提案するのは、目標そのものと、最初に着手する作業の大きさを分けることです。

対処法:目標を小さくしてやる気を引き出す

大きな目標が負担に感じられるなら、目標を捨てる前に、その日に始める作業を小さく分ける方法があります。

たとえば、ブログなら、
「1記事を書く」「2000字書く」ではなく、

「見出しを3つ作る」「冒頭の3行だけ書く」

くらいで十分です。

行動を小さくすると、最初の一歩が軽くなります。
そして、一度動き始めると、

「意外とできるかも」

という感覚が生まれます。

「できそう」という見通しを、実際に進められる作業と照らし合わせるのがポイントです。脳の仕組みを測定した説明ではありません。

やる気は、行動の前に必ず出るものではありません。
少し動いたあとに出てくることも多いのです。

このように小さな一歩から始める考え方を、ここでは「ベビーステップ」と呼びます。行動後にやる気が出る現象そのものの学術名ではありません。気分が変わらなくても、進められた作業と負担を確かめます。

自己肯定感もやる気に影響してくる

自分への評価がつらくなるときは、比較や目標の基準を見直す考え方も紹介しています。

自己肯定感を高めたいときに|比較と「できた」の基準を見直す
筆者が試したSNSの見方の変更と、目標とは別の及第ラインを設ける方法を紹介。失敗の振り返りと、自分全体への否定を分ける記入例をまとめました。

3. 何をすればいいか分からなくてやる気が湧かない

見直したい点の3つ目は、

目標があいまいなことです。

たとえば、
「頑張る」「ちゃんとやる」「できるだけ進める」

こういう目標は、一見前向きですが、実は行動につながりにくいです。

なぜなら、何をすればいいのかが分からないからです。

「ブログを頑張る」だけでは、

タイトルを考えるのか、本文を書くのか、画像を作るのか、過去記事を直すのか、判断が必要になります。

判断が増えるほど、動き出すまでの負担も増えます。

心理学者のエドウィン・ロックとゲイリー・レイサムは、目標についての研究で、「ベストを尽くす」というようなあいまいな目標よりも、具体的ではっきりした目標の方が成果につながりやすいと述べています。

対処法:「いつ・どこで・何をするか」を決める

やる気に頼りすぎないためには、行動を具体的に決めておくことが大切です。

たとえば、「夜にブログを書く」ではなく、
「21時に机に座って、記事タイトルを5個書く」という形にします。

時間と量を決めると、何を実行する予定なのかが明確になります。ただし、その時間に無理なくできる量かも確認します。

GollwitzerとSheeran(2006)のメタ分析は、状況と行動を結びつける「実行意図」が目標達成を助ける結果を報告しています。これは気持ちが必ず変わるという証拠ではありません。著者所属大学の論文紹介

つまり、
「やる気が出たらやる」ではなく、「この時間になったらこれをする」と決めておくのです。
やる気を待つより、動き出す条件を先に作っておく方が現実的です。


4. やる意味を感じられない

見直したい点の4つ目は、その行動に意味を感じられていないことです。

人は、たとえ「できそう」と思っていても、
「これをやって何になるんだろう」「自分にとって大事なのかな」「今やる意味あるのかな」

と思っていると、続けにくくなります。たとえば、ブログを書く場合でも、

「収益化できるか分からない」「誰にも読まれない気がする」「書いて何になるのか分からない」

と思っていると、手が止まりやすくなります。

この場合は、行動の価値を感じにくいことも検討する視点になります。ただし、気持ちだけから原因を特定したり、能力や負担の問題がないと決めたりはできません。

ウィグフィールドやエクルズらの研究でも、人が行動を選ぶかどうかには、その行動にどれだけ価値を感じるかが関係するとされています。

対処法:短期・中期・長期で意味を分ける

やる意味が分からなくなったときは、行動の価値を時間軸で分けて考えると整理しやすいです。

たとえば、ブログを書く価値なら、こう分けられます。

短期的な意味

自分の考えが整理される。文章を書く練習になる。

中期的な意味

記事が積み上がる。SNSや検索から読まれる可能性が出てくる。

長期的な意味

自分の考え方や専門性を示す場所になる。仕事や副業につながる可能性がある。

こうして分けると、

「すぐに結果が出ないから意味がない」

という考えから抜け出しやすくなります。

結果がすぐに出ない行動でも、

自分の中に積み上がる価値はあります。

終わりに

やる気が出ないとき、私たちはつい自分を責めてしまいます。
でも、やる気が出ない理由は、意志の弱さだけではありません。

この記事で取り上げた視点は、

  • やらされている感じが強い
  • できそうと思えない
  • 何をすればいいか分からない
  • やる意味を感じられない

こうした点が関係している場合があります。すべての原因を網羅するものではありません。
だから必要なのは、根性論ではありません。

必要なのは、
動きやすい形に整えることです。

やる気を待つだけでなく、取りかかりやすい条件を整える方法もあります。始めれば必ずやる気が出るわけではなく、休むことや課題の調整が必要な場合もあります。

この順番で考えると、努力は少し楽になります。

まずは今日、完璧な1記事を書こうとしなくても大丈夫です。

「タイトルを1つ考える」
それだけでも、十分な一歩です。

ここまでよんでくださってありがとうございました。
これからも執筆頑張っていければと思いますので応援よろしくお願いいたします。

同じ「書けない」でも、直す場所は違う

次は記事用に作った比較例です。「ブログを書けない」という同じ結果でも、資料が足りない人に「気持ちを変えよう」と言うだけでは作業は進みません。

止まっている場面考えられる不足調整案の例
何を書くべきか迷っている完成条件が曖昧答えたい読者の疑問を一つに絞る
見出しはあるが本文を書けない根拠になる資料がない一つの主張に対応する原資料を探す
書く内容は決まっているが疲れている時間や体力の余裕がない休息を取り、予定と分担を見直す
成果が見えず続ける意味に迷う目的と評価基準が曖昧閲覧数だけでなく、疑問に答えられたかも振り返る

四つの理論や視点を、人を分類する診断表として使わないことが大切です。自分が止まっている工程を具体的にすると、「もっと頑張る」以外の変更点を探せます。

今日の一歩を決めるメモ

① 止まっている作業:__
② 選び直せること:__
③ 最初の小さな行動:__
④ 始める合図:__
⑤ 負担が強いときの調整:__

合図の作り方はIf-Thenプランで具体的に説明しています。

参考文献

Ryan & Deci(2000):自己決定理論
Wigfield & Eccles(2000):期待価値理論
Locke & Latham(2002):目標設定理論

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